みなさん、こんにちは。
久保 佑輔(くぼ ゆうすけ)です。
皆さん「本」って読みますか?どんなジャンルが好きですか?
僕はビジネス書や自己啓発系、エッセイに小説など、様々なジャンルの本を読みます。
本は1,000~2,000円くらいで著者の大事にしている事や経験が凝縮されていて、しかも何度も読み返すことの出来るまさに「宝の地図」のようなものだと思います。
日本国内で、本は10万冊売れたらベストセラーと言われます。
日本の人口が約1億2千万人、就労人口で考えても約6,600万人と言われているので、
労働者の660人に1人が買ったらベストセラーになれるんですね。
「10万冊」を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれですが、僕は少ないなって思います。
僕は、社会人になってからはビジネス書を読むようになりましたし、周りもそういう方が多かったので、ビジネス書を読む社会人が意外と少数派なことにびっくりしました。
一方で、昔からずっと売れ続けているロングセラーと呼ばれる本も一定数あります。
今日はその中でも、最近また注目され始めていると噂の本を紹介します!
◇◇◇
大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
今回ご紹介するのが、ニール・ラッカムさんの「大型商談を成功に導く「SPIN」営業術」です。
営業経験のある方はご存じの方も多いかもしれませんが、1987年に発売されてから、10か国以上の言語に翻訳され、世界の大手100メーカーの半数以上がこの営業手法を採用しています。
実は出版にたどり着くまでに、物議をかもす内容だとして5社の出版社に断られている経緯もあります。
◇◇◇
「SPIN」営業術とは
一体、「SPIN」営業術とはどのようなものなのかを、出来るだけ簡単に説明します。
ポイントを整理すると、
-
質問は4種類に分けられる
-
商談は小型商談と大型商談に分けられる
-
オープンな質問とクローズな質問の否定
の3つがあります。本当はもっと沢山あるのですが、キリが無いので3つに絞りました。
1.質問は4種類に分けられる
「SPIN」という営業手法の最大の特徴は、質問を4種類に分けて考えていることです。
- 状況質問(顧客データを収集するための質問)
- 問題質問(顧客の感じている、問題点や不満を引き出す為の質問)
- 示唆質問(問題の深刻さを顕在化させるための質問)
- 解決質問(解決策や価値に関する質問)
という4つの段階を踏んで顧客の課題解決をします。
簡単に例にすると、
Q.御社はテレワークは実施していますか?
A.営業だけ出来ていないですね。(状況質問)
↓
Q.出社だと、コロナの感染リスク上がりますよね?
A.そう、この前も社員が1人、感染しちゃって業務に支障が出たんですよ!(問題質問)
↓
Q.ということは、感染者も増えているしテレワーク化を進めないと今後も同じことが起きそうじゃないですか?
A.確かに、どこかでやり方変えないとですよね。(示唆質問)
↓
Q.ちなみに、弊社の○○というシステムなら、テレワークでも商談やテレアポ、顧客データ管理が可能になるのですが、こういうシステムがあると営業もテレワーク出来そうですかね?
A.そんなシステムがあるなら営業もテレワークに出来ますね!(解決質問)
といった具合です。要するに、顧客に課題を明確に理解・把握させてから解決の提案をするための質問を段階に分けたものですね。
2.商談は小型商談と大型商談に分けられる
本書では、商談を「小型商談」と「大型商談」に分けられ、「SPIN」は小型商談では逆効果になるリスクがあると明記されています。
小型商談→1度の商談で済んでしまうもの(低価格の製品)
大型商談→数か月、あるいは年単位で何度も商談を重ねるケース(高価格の製品)
と分けられており、「SPIN」は商談を重ねて制約をするタイプの商談に向いている営業手法です。
小型商談に向いていない理由は、「顧客の買う気の違い」です。
どんなに優秀な営業マンでも数千万円、数億円の注文を1回の商談で獲得するのは至難の業です。顧客側も社内稟議を上げる必要がある場合が殆どだからです。
反対に、小型商談ではその場で決着をつける必要があります。
1回目の商談で相手に欲しいと思わせても、1週間あけば、気持ちは冷めているケースが多いです。
そもそも、欲しいと思わすことが出来たのにその場で契約を取らないで再度アポを組む必要もないですよね(笑)
3.オープンな質問とクローズな質問の否定
営業をやっていると、オープンな質問とクローズな質問の使い分けが大事と聞いたことがある方も多いかと思います。
- オープンな質問→「はい・いいえ」で答えられない質問
- クローズな質問→「はい・いいえ」で答えられる質問
で、商談においてはオープンな質問の方がより効果的と言われていますが、
実はそうでもないというのが本書での結論です。
まず、オープンな質問とクローズな質問の定義が難しいです。
とくに、「はい・いいえ」で答えられる質問が意外に少なくて、クローズな質問では例外を否定します。
例えば、「あなたの会社は土日休みですか?」という質問に対して、「基本はそうです。ただ、イレギュラーで土曜日に出社することがあります。」と回答した場合、
この質問は、オープン/クローズのどちらに該当するのかが不明確です。
また、20の商談を調査したが、オープンな質問の数と成約率は関係がなかったという研究結果が出ました。
これにより、オープンな質問とクローズな質問の効果を否定しているようです。
◇◇◇
ロングセラーの理由
本書がロングセラーの理由はズバリ、「再現性がある」からです。
営業マンはよく、
1人1人に営業スタイルがある。答えは自分の中にある。
と言われることがあります。
これも間違ってはいないと思いますし、事実、成功パターンは1つじゃないです。
ただ、「SPIN」営業術は、3,5000件以上の商談を12年かけて研究し、セールスの業績に影響があるとされる116の要因を23か国で研究しています。
ここまでの規模で研究された結果、導かれた営業手法であり、20年以上活用されてきたのは間違いなく、誰でも実践が出来る且つ効果のある営業手法だからだと確信しています。
◇◇◇
まとめ
少し長くなってしまましたが、お伝えした内容はごく一部です。
大型商談は単価が高いので、1件1件に賭ける思いは間違いなく大きいですし、1件の受注が会社にとっても個人にとっても非常に大きいです。
ご紹介した「SPIN」営業術は、ロングセラーの本として今でも人気です。
営業成績が伸び悩んでいたり、もっと売上を上げたい方、是非一度読んでみてください!
本の購入↓
www.amazon.co.jp
最後までお読みいただきありがとうございました。
おわり。
久保 佑輔(くぼ ゆうすけ)
参考文献:SPIN営業とは?潜在ニーズに迫る4つのステップを事例と共に紹介 (keywordmap.jp)